もようのひとりごと

ただの戯言

私が最低な話

私はなんだか知らないけど進学校にいた。自慢になんてならない。相当な落ちこぼれで、大した大学に進んでいない上、今は新卒給料で細々と働いている。

そんな進学校で一緒だった同級生と久しぶりにあった。
もともと5人グループだったのだが、その中の一人Nさんが個性的で、大人で冷静でその渋さにみんな惹かれてなんとなく集まった5人だったんだと思う。
高校のときは訳の分からない話で盛り上がり、泣くほど笑っていた。カラオケによく行った。楽しかった。

卒業してからも定期的に会っていたけど、就職と同時にほぼ会わなくなった。

誘われてはいたけど会いたくない理由はいくつかあった。

ひさびさだった。数年ぶりだった。
Nさんは変わらず淡々と冷静で渋かった。研究職をしているらしい。
真面目で堅実なAちゃんは県庁。
一生懸命で先をよく見据えているBちゃんは銀行員。
才色兼備だったCちゃんは女医。

そんなんなのだ。
進学校の普通は。すごいのだ。私以外。

みんな、仕事が大変と口々に言った。
管理や指導が大変らしい。
大変さを乗り越えられる強さが羨ましい。
あの頃と一緒でみんなNさんと話したがった。

また会おうね。

そう言って別れて、ふうっと息を吐きたくなった。
変わったのだ。みんな変わった。あの頃は遠く彼方。みんな頑張って頑張っている。
私だけが留まっている。努力を怠った私は惨めだと思うことすらバカなことも知っている。

みんなはこんな私をどう思ったのだろう。
笑顔で話しながらもヌルいと思っていたんだろうか。
まあ、被害妄想と言われてしまいそうだな。これも悪いとこ。

そんなふうに単純に楽しめなくて、疑ってばかりの自分がいちばんしょうもないな、と思った。
私はサイテー。